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鬼滅の刃 第178話「手を伸ばしても手を伸ばしても」感想・考察

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第178
週刊少年ジャンプ201946


おはこんばんにちは!!
トンガリです!

今回も黒死牟の回想。
そして今回で黒死牟の回想は最後です。(多分)

トンガリの想いは最後に書くとして、表紙からいきなり「何の漫画だこれは!?」と思うようなインパクトがあったので早速感想考察に入りたいと思います。

「頼むから死んでくれ」

「お前のような者は生まれてさえ来ないでくれ」

「お前が存在しているとこの世の理が狂うのだ」

神に愛された弟への嫉妬に灼かれた兄の言葉。
ここまでストレートな否定の言葉はいっそ清々しい……。

いややっぱ清々しくないです。
ここまで言ってしまっては最早議論の余地もありません。

縁壱さん“のみ”への想いの深さだけはよく分かりました。

本編は打って変わって縁壱くんの消えた平穏な日常からのスタートです。

お父さんが縁壱くんを連れ戻すためにお寺へと使いを送るも、縁壱くんはどうやら寺にも行ってなかったようで影も形も無くなってしまいました。
寺に行ったところでこうなることは分かっていたから誰にも頼らず何処かへ姿を消したんですよね……凄すぎます……。

そして十年余り。
巌勝さんは平穏な日々を過ごし、妻子に恵まれました。

しかし、巌勝さんが野営していた所を鬼に襲撃され、再び運命は絡み合います。

巌勝さんを鬼から救った縁壱さんは幼き頃とは比べ物にならない程剣技を極めていました。
そして縁壱さんを見た瞬間に巌勝さんは再び妬みと憎しみが蘇ります。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第178

更には己の到着が遅れた為に巌勝さんの配下を死なせてしまったと詫びを入れる縁壱さん。
巌勝さんに非の打ち所が無い人格者とまで言わせています。

「私はその強さと剣技をどうしても我が力としたかった」
「家も、妻も子も捨て、縁壱と同じ鬼狩りとなる道を選んだ」

その強さと剣技だけじゃなくてどうして心の在り方に着目できないのだろう……。
これほどの強さを持っていて何故それ程までに謙虚なのか、とか……。

そしてすぐに鬼狩りになっていますが、継国家は鬼狩りの一族とかではなかったんですね。
家を捨てて、鬼狩りになっていたとは。

跡継ぎはいたから血は絶えなかったにしても、奥さんや子供たちは苦労したことでしょう……。

巌勝さんの鎧姿はかっこよかった。

縁壱さんは中心となって色んな人に剣技や呼吸を教えていたそうです。
しかし縁壱さんと同じようにできる者は誰一人いなかった。

そこで縁壱さんはそれぞれの者が得意であることとできることに合わせて、呼吸法を変えて指導していました。

えええーーーー!?!?

全ての呼吸、少なくとも基本の呼吸の5つかな?は縁壱さんが考えていたのか……!!
しかもそれぞれの特性に合わせて!!

縁壱さんの呼吸を真似てそれぞれが独自に自分にできる範囲で身に付けた、くらいの想像だったので割と衝撃……。
槇寿郎さんも「日の呼吸の猿真似をし劣化した呼吸だ!」とか言ってたし……。
それでも鬼に対抗できる強さを身に付けられたのだから良いじゃないか!!!!
いやそれは今は置いておいて。

縁壱さんは指導力も一流だったようです。

しれっと痣者も増え、鬼狩りの戦力も高まっています。
才能豊かな剣士が多かったのか、縁壱さんの指導が一代で鬼狩りの戦力を増強したのか。
ここから呼吸法の鍛錬が始まっているからやはり後者でしょうか。

双子の兄弟である巌勝さんも、終ぞ日の呼吸が使えることはなく、
使えたのは後に月の呼吸と名付けたただの派生。

もっと鍛錬を重ねればいつか縁壱さんに追いつけるかと、それでもやはり縁壱さんに拘っていた巌勝さんでしたが、急遽事情が激変します。
痣者がばたばたと死に始めました。
二十五歳の制限時間ですね。

痣は寿命の前借りに過ぎず全盛期はすぐに終わる。
未来が無いことを知った巌勝さんを待っていたのは抗うことの出来ない誘惑でした。

「ならば鬼になれば良いではないか」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第178

「鬼となれば無限の刻を生きられる」

鬼舞辻無惨キターーーー!!!!

戦国時代の無惨!
何かちょっと厳つい?

巌勝さんも鬼狩りの中でも強い方だとは思うのですが、対峙する無惨は座っています。
これ無惨が直々に目をつけてスカウトしにきてそう!

「お前は技を極めたい、私は呼吸とやらを使える剣士を鬼にしてみたい」

これが無惨の出した交換条件でした。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第178

「私が心底願い欲していた道は拓かれた」
「私は全てのしがらみから解放される」

そしてあっさりとその条件を飲み、頭を垂れる巌勝……いや黒死牟。
これめっっっっちゃ残念ですね……。

本当に縁壱さんのことしか考えられなかったんだなぁと思います……。

よくこれで岩柱・悲鳴嶼さんと問答ができましたね……。
もう恥も外聞も何もかも捨て去って開き直っていたのか……。

無惨に直接恨みがないからそれほど葛藤もなかったのかなぁ。
いやでも仲間の鬼狩りたちの中には絶対鬼に恨みを持った剣士がいたはず!!!!
むーん。

そして全てのしがらみから解放された“はずだった”黒死牟は年老いた縁壱さんと再度再会します。

痣の理をも超越した存在であると見せつけた上に、寿命で死亡し勝ち逃げをしました。

これには黒死牟も怒髪が天を衝きます。

「誰も…あの方でもお前に勝つことはできなかった」
「誰一人として縁壱に傷をつけることすら叶わなかった」

「何故だ?」
「何故いつもお前は私に惨めな思いをさせるのだ?」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第178

はちきれんばかりの憎しみによる凶行が浮き立たせたものは、
幼い頃に自身の手によって作り、弟へと贈った唯一無二の笛。

桜の模様があしらわれた巾着に大切そうにしまってあった、あの時の笛でした。

「いただいたこの笛を、兄上と思って」

蘇るのは幼き日の弟の姿。

あの頃は気味が悪くて仕方がなかった弟。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第178

自身がどうでもいいと思う物に対して異常な愛情を向ける弟に対して、常に気味が悪いと感じていた巌勝さん。

しかしこの時に胸に去来する想いは、鬼となったその身に涙を流させました。

鬼となり6つとなった眼の、本来の眼からだけ溢れる涙。
これは、黒死牟となった巌勝さんの、人間の部分が流させた涙だと信じています。

何百年も生きていて、父の顔も母の顔も、妻の顔も子供の顔も思い出せない中で、
ただ一人鮮やかに記憶しているのは一番忘れたい縁壱さんの顔。

“その男”の周囲にいた、誰よりも嫌い、誰よりも憎み、誰よりも憧れたからこそ、何百年も追い続けた一人の鬼。

「家を捨て妻子を捨て、人間であることを捨て」

「子孫を斬り捨て」

「侍であることも捨てたというのに」

「ここまでしても駄目なのか?」

「道を極めた者が行きつく場所は同じだ」と言った縁壱さん。
しかし黒死牟は辿り着けませんでした。
同じ世界を見ることはできませんでした。

日の呼吸の型を知る剣士も、縁壱さんの死後に無惨と二人で徹底して殺し尽くしたそうです。

それでも炭治郎がヒノカミ神楽を使っているように、縁壱さんの呼吸は残っています。

「何故私は何も残せない」
「何故私は何者にもなれない」
「何故私とお前はこれ程違う」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第178

「私は一体何の為に生まれて来たのだ」

「教えてくれ」
「縁壱」

全てを捨て、残ったのは――…。

黒死牟回想録、完。


「何ともまあ、惨めで、滑稽で、つまらない話だ」

まさにこんな話。
こんな人はきっと数多くいたと思う。
ただただ、憎悪し憧れた対象が究極の存在だったというだけのこと。

あとはトンガリ的には愈史郎くんに「独りで死ぬのは惨めだな」をやって貰えればそれでもう何も言いません。

「人に与えない者はいずれ人から何も貰えなくなる」
「欲しがるばかりの奴は結局何も持ってないのと同じ」
「自分では何も生み出せないから」

むーん、割と獪岳と通じるところがある。
あれほど惨めでは無かったと思うべきか、それとも何百年もの彷徨はそれ以上の愚かさか……。

最後に残された、笛……。

実は結構グッときました。

でも笛を持っていただけ……。
何も省みることがなく、何の変化もない。
笛を持ち続けて誓ったことが「誰にも負けないこと」。

結局のところ縁壱さんの気持ちや想いを何も受け取ることはなく、ほぼ何も学び感じることもなく何百年もの時を過ごすのみ。

とってつけたように笛を持ち続けていてもその笛を捨てられない感情や理由を終ぞ見つめ直すこともなく、何百年も人を殺し続け、人の世に仇なす諸悪の根源に協力し続ける存在。

これがこの時代、笛を受け継いだ者を斬った時に色んな想いが蘇り鬼としての力を保てなくなった、というような形であれば猗窩座のように全てを忘れひたすらに悪鬼へと堕ちた鬼と思い悼むこともできますが……。

黒死牟は縁壱さんを忘れたことはなく、笛を持ち続けていた。

う~~~んこれでいいんでしょうか。

トンガリって嫌なやつですね……。

なんか……笛を持ち続けていたのが、むしろ悔しいです。

なんでほんの一欠片でもいいから縁壱さんの想いを受け入れることができなかったんだろう。

何の為に生まれてきたって、何百年も生きて考えることでしょうか。

それこそ、これまでにどれだけの鬼狩りを殺してきたとしても、今まさに無惨の滅殺に心燃やす後生のために道を拓くため、で良いじゃないですか。
そういうたくさんの道を自分自身で潰しておいて、自分でも「子孫を斬り捨て」と言っているのにこの最期。
“ただの意地”、それでも結構。
何ですか、何の為に生まれてきたって。

もう最後の最後の悪あがきとして「独りで死ぬのは惨めだな」と言ってやることしか出来ません。

今回ばかりは「巌勝さんにも同情の余地がありますね……」という気持ちはなりませんでした!!!!

うう……。

珍しくトンガリが荒れてますね……。

だってなんか凄く悔しかったんですよ!!!!

奇声をあげます!!

ピエーーーーーー!!!!

「鬼はずっとそんな感じだったじゃないか」と言われたらもう仰る通りです!!!!
なんでこんなにムキになってしまうのでしょうか。

もしかして巌勝さんみたいな人が気になってる……?
ほっとけない!?

いやいやそんなことはない!はず!

縁壱さんだって全部持ってる訳じゃなくて子孫はいないだろうし無惨の滅殺も逃してるし兄上はお労しいし持ってるものに比べて残したものなんて微々たるものじゃないか……。

やっぱり「もうやめろ、私はお前が嫌いだ」という気分です……。

なんて。

フルカラー版だと、巌勝さんの子供の羽織がどことなく“霞”っぽい色だなぁって思いました。

あと縁壱さんが教えてる剣士さんたちの中に雷っぽい羽織の人がいる!
数珠を首から下げてる方は岩の呼吸でしょうか?
岩の呼吸は仏僧系担当なの?
しかも獲物も槍?錫杖?みたいな長物ですしかっこよさそう!!

産屋敷家も出てきませんでしたし、トンガリ的にはもう一回くらいきちんと戦国時代の話が描かれるんじゃないかなと思っています。
少しでも巌勝さんの良いところが見たいとかそういうんじゃないですからね。

あと炭治郎の存在が知られていましたね~。
鬼舞辻無惨は何故耳飾りの剣士をもっとちゃんとした鬼に殺させなかったのか。
物語が2巻で終わっていましたよ。

それとも再度差し向けたのが上弦の参である猗窩座だったのか。
だとしたらやはり煉獄さんは改めて物凄い功績です。
ま、煉獄さんならそんな特別な剣士でなくたって命を懸けて守り抜きますけどねっ。

というか日の呼吸のヤバさが分かっているのは黒死牟だけなんだから最初からきちんと黒死牟に殺させにいきましょうよ。
やり方が甘々ですよまったく。

縁壱さんの凄さもさることながら、巌勝さんのあっさり鬼になるのも凄かったですね。
それだけの拗れた感情だったのは分かりましたが、凄い。
早かった。

鬼舞辻無惨もお館様ボイスを持っていて人の心の最も弱い部分を的確に刺激することができてたのかもしれませんね。
いやでも猗窩座は力尽くだったしそうでもないか。

無惨と黒死牟は性根のところが相性良さそう……。

なんか……暗いかな……。
今回の感想変でしょうか……?
気分が盛り上がらない……。

玄弥……無一郎くん……。

しのぶさんの時は、受け継いだ者たちが実力以上のものを発揮して見事に敵を討ってくれたので嬉しかった。
猗窩座を倒した時も、胸のすく思いでした。

どうしたことだこれは……。
いよいよ無惨が目前に迫ってきている重苦しさからでしょうか……。

なんだか嫌な感じです。
ここまでは順調以上の戦果で上弦を倒せていますよね?

過酷な戦いに、読んでいてしんどく思うこともありますが、命をかけた戦いをしている作品です。
この世界を書ききってくださっている吾峠先生には感謝しかありません。

それでも最後の最後には、気持ち良く、爽やかに、晴れやかに勝つところが見られると信じています!!

うおおおおトンガリは全然めげてないぜ!!
鬼という生き物の哀しさだって分かっているぜ!!
復活して締めます!!!

最凶の強敵は撃破しました!!!
鳴女という厄介さが随一な鬼にも意外性ナンバーワン筋肉捌倍娘・恋柱甘露寺蜜璃さんと思わず惚れ惚れしてしまう執念深さとクールさ(?)を持つ蛇柱・伊黒小芭内さんが戦闘中!
ここは問題ありませんね!!!!(圧倒的な信頼)

上弦の伍がいたとしても元柱組がこれでもかというほど魅せに魅せてくれるでしょう。
適当な穴埋めの上弦には古強者を当てる。
常識ですね。

そして鬼舞辻無惨には我らが炭治郎や心折れることの無い剣士たち全員が向かいます!!!!

これだけでトンガリは太陽と共に戦っているかのように心強い思いです!!!!!

あ、いけそう!!

この勢いで次回以降も全力応援ですよ!!!

今回の投稿は後から大胆追記とかあるかもしれませんね!
さっきまでの情けないトンガリをぶっ飛ばしてやりたいです!!(口だけ)

ここまでお読み頂きありがとうございます!
これからも頑張っていきますので何卒よろしくお願い申し上げます!!!

それではまた次の投稿でお会いしましょう!!!!

キメツーーーーーーーー!!!!



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