おはこんばんにちは!!
トンガリです!
連続してスピリッツからこの作品!
『あの月に向かって打て!』の感想です!
単行本未発売の作品ではありますが一言。
「マンガモア」では週刊誌で連載中の最新話をメインに感想を書いていくので単行本派の方はネタバレ注意です!!
2020年1月現在、
ビッグコミックスピリッツ公式ホームページの『あの月に向かって打て!』作品ページから第1話を試し読みできますので、未読の方は是非!!
作品ページはこちら
https://bigcomicbros.net/comic/anotsukinimukatteute/
ではまずは第2球のあらすじから!
あらすじ
出典:寒川一之『あの月に向かって打て!』第2球 週刊ビッグコミックスピリッツ2020年7号
覚悟を新たに挑んだ打席でとうとうバットにボールが当たった主人公・文月弾輝。
それも打球がフェンスに直撃する程のジャストミート。
その感覚に今までにない高まりを感じた弾輝は次のボールを催促します。
しかし、野球部部長・遠山から「そろそろ練習の時間だから」とストップが。
その言葉にがっかりとショックを受けてしまう弾輝だったが、その様子を見た部長から「入部したらいくらでも打てるんだし」とそそのかされてしまう。
この部長、とにかく口が上手い。
今のメンバーも4人は初心者だったから経験は気にすんなとか、弾輝の細腕を取り上げて逆に「生まれ持った『センス』で飛ばす打者」と持ち上げたりとか。
いつの間にか会話を野球部全体に広げていく様は、部員を巻き込んでモチベーションを高めて引っ張っていく、まさしく部長としてのキャプテンシーを感じさせる人物です。
一方、弾輝は「一応、親に聞いてみないといけませんので」と返事を一旦保留することに。
同じ中学出身の間宮羽琉と共に帰路につく。
(たぶん間宮羽琉くんも野球部入るので名前だけは出しておく構え)
家に帰った弾輝はリビングのソファで爆睡。
晩ご飯でも、普段はしないのにご飯をおかわりするという変化が。
食事中も野球のことを考えており、「あの感覚をもう一度味わいたい」と確かな興味を示しています。
野球部に入りたいという気持ちを姉と妹に話す弾輝ですが、どうやら文月家では何か大事なことを決定する際には父親に話を通すしきたりがある様子。
食後、父に野球部への入部希望を伝えると、父からは厳しめの言葉が。
まず、当初目指していた栄邦高校に落第したことをどう捉えているか問われ、ハッキリと運動部の生徒が好きではないことを告げられます。
「学生が勉学を犠牲にして運動に打ち込んで、一体何を得られると言うのですか?」
父の問いかけに答えることができず、「大学は是非栄邦に入学してください」「それが私の願いです」と半ば突き放されるような言葉で締めくくられ父の部屋を退室した弾輝は、
今朝まで栄邦高校を落第したことで激しく落ち込んでいた事実を思い出します。
しかしそんな弾輝を連れ出したのは姉・紗理緒。
「ちょっと出かけるんで付き合ってもらえます?ボディーガードに」とそれらしいことを言ってはいますが、向かった先はバッティングセンター。
父と話した後、見るからに落ち込んでいた弾輝を見かねたのと、
食事の時に野球のことを話していた弾輝の表情に思うところがあったのでしょう。
初心者のおもしろい格好を写真に撮りたいという、姉の冗談か本気か分かりづらい戯言を聞きつつ乗り気ではないが打席に入ることに。
バッティングセンターの球のスピード、コントロールを見て板部岡が打ちやすいところに投げてくれていたことを知る。
当然結果は散々で、全然当たらず。
面白くない姉・紗理緒は再度挑ませようとお金を投入し、去年からバイトしていることを打ち明ける。
驚きを隠せない弾輝。
それもそのはず、文月家では父からバイト禁止を言い渡されていた。
そんなものは「くそくらえ」という姉。
しかし弾輝は父の言うことを裏切るようなことはできないと再び塞ぎ込んでしまいます。
姉が飲み物を買いに行っている間に、野球を諦め高校でも勉強一筋で行くことを自分に言い聞かせている時、野球部で捕手をやっていた笠原もバッティングセンターにいることに気付きました。
笠原は野球部の練習後もウエイトをやり、一度も家に帰らずにバッティングセンターに来ていました。
まさに野球漬けの生活を目の当たりにし、自分との住む世界の違いを感じる弾輝。
そんな笠原に、弾輝は改めて打ち方を教えてくれたことへの感謝の気持ちを伝えます。
「別に」と応えた笠原でしたが、少し考え話し始めました。
「…お前、板部岡が前から投げようかって言ったの断ったろ、ルール通り打ちたいってさ」
「…割と勝負にこだわるなって思ったよ、ははっ」
「そういう奴が仲間になるのは悪くない、だから教えた」
どこの高校に進学するかでも、試験でどれだけ点数が取れるかでもない。
自分の考え方、生き方そのものを肯定されたかのような言葉。
その言葉に弾輝は何かを感じました。
笠原と別れた後、弾輝は再び打席に向かいます。
空を切るバット、脳裏に過るのは父の言葉。
未だに父の言葉への返答は見つかりません。
それでも笠原の野球に対する姿勢に背中を押され、バットを振り続けます。
笠原のアドバイスを意識し、燻る思いを胸に振ったバットは、徐々にボールを弾き返すようになっていきました。
帰り道。
姉にからかい半分エール半分の小言を言われつつも、バットにボールが当たると楽しいという気持ちを再確認した弾輝。
姉からも「高校時代は一度きりですから…」と分かりづらいですが背中を押されます。
そして決意し、出した答えは、高校でも勉強を頑張り、野球にも全力で挑戦すること!
新しい世界に挑戦し、自分がどう変わるのか。
それを知りたいという超絶少年漫画感溢れる最高に熱い気持ちで月を見上げます。
姉から「無謀な目標」と言われますが、ここで「おかまいなく!」が復活します。
「やりたいこととやるべきこと、そもそも天秤に掛けるのがおかしいんです」
こうして新たなる世界への挑戦を決意した夜は過ぎていくのでした。
めでたしめでたし。
感想
いや、完璧か!?
主人公のコンプレックス、癖のある家族、熱い仲間……。
全てがうまく噛み合っているとこんなに読みやすいんだなと感じます。
シンプルに面白い!!
見方によっては少し地味な印象を受けるかもしれませんが、
裏を返せば派手さや勢いだけで誤魔化さず、丁寧に話作りをしている証だとトンガリは感じています。
あとは絵との相性かな……。
寒川先生のシンプルで味のある絵が大丈夫なら間違いなく面白くなる作品だとオススメできますが、絵って漫画においてかなりの部分を占める要素ですし、好き嫌いの好みがハッキリ出る部分なので……。
まぁ、なにはともあれ、とにかくキャラクターが良い!!
まず紗理緒お姉ちゃんが弾輝のこと大好き過ぎるのがたまりません。
最スト(最後は?ストレート!)でもお姉ちゃんの協力無しでは物語が成り立たなかったと思うし、今作でも乗り越えるのが困難な障害が立ちはだかった時、最後にほんの少し背中を押してくれるポジションとかで姉弟の絆を見せてもらえそう。
学校が違うしレギュラー化は難しいかな……頻繁に出て欲しいけど……。
妹・鮎乃ちゃんも登場。
こちらは兄のことをそれほど慕っている様子ではありませんがきっと本当は大好きなんだろうな。
ただまだまだ物事の表面的な目に見える部分に意識が向きがちな幼い印象を受けるので良い感じにお姉ちゃんと役割分担できるしなにより可愛い。
鮎乃ちゃんは将棋をやってる、もしくは好きっぽいので智将としての参戦も考えられるかも?
野球部員や同中の間宮羽琉くん辺りは今後どんどん掘り下げられていくだろうから今回は触れませんが、笠原だけは物語上の役割が別格に思える。
なにしろ弾輝が野球の楽しさに目覚めるきっかけを作り、さらに迷いを振り切って野球を始める決意をするきっかけを作ったのだから。
キーパーソンの一人であることは間違いない。
弾輝を取り巻くキャラクターの魅力もそうだけど、もちろん主人公・弾輝のキャラクターも魅力的ですね。
元々ガリ勉だった主人公というのはスポーツ漫画の主人公としては少し珍しい経歴だし、素直にとてもいいやつだと思える。
いいやつだと思えることは大事だ、応援したくなるから。
少し前にアニメ化もしたテニス漫画『ベイビーステップ』も主人公がスポーツ未経験者の勉強タイプからの転身だった。
あの作品も好きだった……長く連載を追っていた立場から言わせてもらうと、終盤だけが少し物足りなかった……。
それを差し引いても十二分に名作だと勧めることができますけど。
『あの月に向かって打て!』の弾輝は運動のセンスがありそうな仕込みがちらほらと見えているので少し状況は違うかも。(エーちゃんも眼は良かったけど)
なにより寒川先生にはこれまでの作品で「“才能”というものの扱いの巧みさ」を見せてもらっているので、『あの月に向かって打て!』でも弾輝の才能が魅力的に演出されていく様が見られることを期待せずにはいられない。
弾輝は今回の話でも、お父さんの問いに「……わ、わかりません」と自分の考えを正直に答える人柄が見られて凄く好きになれた。
ああいう場面で誤魔化さない人物、凄く素敵だと思います。
バッティングセンターで板部岡さんが打ちやすいところに投げてくれたいたことに気付いたり、笠原にアドバイスのお礼を言ったり、とにかく誠実で正直、真っ直ぐな主人公像に胸が熱くなってくるような感じがしました。
だからなのか物語の展開の仕方が巧みなのか、弾輝の「新しい世界に挑む」という物語の今後の展開が凄くワクワクします。
このワクワク感……面白い漫画に出逢った時のワクワク感と合わせて最高に気分が盛り上がってます。
今回、答えられなかったお父さんの問いに対しての『答え』が見つかることを祈って、
これから弾輝のことを応援していきたいと思います!
『あの月に向かって打て!』。
寒川先生の作品という贔屓目を抜きにしても結構面白いと思うのですがどうでしょ?
読んでみた方の感想とかあれば聞いてみたいです。
今なら一話は試し読みできますし。
コメントはいつでも受け付けております。
トンガリにだけ伝えたいということであればその旨を文中に書いて頂ければ配慮致しますのでご安心下さい。
読んでほしくて感想聞いてみたくて必死ですね。
そういえば板部岡雪江ちゃんのこと調べてたら
板部岡江雪斎さんという方を発見しました。
これだけ字面が似ていると偶然の一致とは思えません。
戦国武将……?
もしかしてキャラクターの名前は歴史上の偉人由来だったりするんでしょうか。
わからん。
細かいところまで書いているとどれだけ時間があっても投稿できないくらい丁寧な作品……。
次回も大増28ページとのことなので、きっと盛りだくさんな展開になると思います。
なので今回はここまで!(締めが雑)
次回もよろしくお願いします!
トンガリでした!
モア!!!!