出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第175話
週刊少年ジャンプ2019年43号
祝!巻頭カラー!!
これが吾峠呼世晴先生のカラーです!!
Jネットワークスさんの着色と見比べてみると、髪の塗り方とかちょっと違いますね!
背景も凄く細かい……なんとなく戦国の世を思わせるような雅な風情を感じます。
今回も激動の展開だったのに更新が遅くなってしまったのは文章が打てなかったからです。
見ていて辛い175話。
いきましょう~。
本編は縁壱さんの突然の死を目の当たりにした黒死牟の独白からスタートです。
「あともうひと呼吸縁壱の寿命が長ければ私は負けていた」
「生き永らえた為に鬼となっていた私はその屈辱を何百年も味わい続けた」
もうひと呼吸長くなくても、同じく呼吸を使う者同士で片や鬼となったというのに人間であれば完全なる致命傷を喰らっている時点で圧倒的な完敗なのでは……?
黒死牟も獪岳と同じく死ぬまでは負けじゃないと思うタイプなのでしょうか……。
「誉れ高き死が訪れることはない」とも言っていますが鬼となった身で誉れ高き死とは一体どんな結末があると思っているのか……?
記憶がはっきりしているように思える黒死牟ではありましたが、やはり長く生きているとそれだけで記憶が摩耗してくるし前後関係があやふやになってくるのかもしれませんね。
鬼としての自身の姿を「醜い姿」と捉えているところだけは、
まだほんのひとかけらだけは人であった時の矜持が残っているのかなと思いました。
窮地に陥り、自身の原点を思い出した黒死牟。
玄弥の血鬼術に囚われ身動きの出来ない状況で決死の方向。
案の定、刀を振ることなく全身から斬撃を飛ばしてきました。
と思いきやただ飛ばしただけではなく――。
体中から刃が生えてきていました!!!!
出した刃の数だけ攻撃を放ったとのことで……。
ただこれは呼吸や型を使わずに斬撃を放っただけで、やはり威力や密度は握った刀で型として放った時の方が強かったりとかありそうですね。
そして何よりもショックだったのがこの適当に放ったような攻撃で受けた鬼殺隊側の被害です。
霞柱・時透無一郎くんと玄弥のダメージがショッキングで何かの間違いかと思いました。
無一郎くんはすでに満身創痍でしたし、刀を突き立てており超至近距離だったので斬撃を躱すことができなかったのでしょう……。
玄弥は厳しいようですが戦力的に黒死牟の攻撃を躱せる域に達していなかったのかなと……。
今は柱が三人で戦っているからまともに渡り合えているように思えますがそもそもそういう相手だったということを思い出しました……。
無一郎くんは上半身と下半身が泣き別れしてしまいましたし、玄弥は上半身を縦に唐竹割りされてしまいました……。
しかもふたりともそのダメージで……まだ戦い続けているんです……。
無一郎くんはまだ刀を握ってるんですよ……。
しかも死ぬまで戦うであろう岩柱・悲鳴嶼行冥さんや風柱・不死川実弥さんたちをここで死なせないために、無惨との戦いまで繋げるために「俺が…何とかしなくちゃ」「俺が、死ぬ、前に」って……。
ううう……。
無一郎くんの尋常ではない想いが込められた日輪刀は刃が赤く染まっていきました。
これは炭治郎が記憶の遺伝で見た耳飾りの剣士と同じ現象!
“透き通る世界”は炭治郎がその一端に触れ、悲鳴嶼さんのように叩き上げられた方が辿り着いてくれましたが、この赫刀に関してはノーマークでした!!
赫刀を突き立てられた黒死牟は「内臓を灼かれるような激痛…!!」と感じています。
半天狗も「再生できぬ!灼けるように痛い!」と言っていました。
黒死牟のような歴戦の強者に対しても体が強張る程の激痛を与えられるのですから、
ただの追加ダメージとかってだけではなさそうですね。
そして玄弥も玄弥で、縦に半分だけになった頭で仲間のことを思いまだ黒死牟の妨害をしようと頑張るんですよ……。
まだ自分の肉弾が黒死牟の体の中に残ってると感じていた玄弥は再び血鬼術を使い黒死牟を固定します。
しかも今度は固定だけではなく、木によって黒死牟の血を大量に吸うことで黒死牟が技を出せない状態にさせることができました!
二人のお陰もあって、実弥さんが頚に一撃入れることができましたし、悲鳴嶼さんの鉄球がモロに頭部を捉えました。
しかし黒死牟の頚は強靭で一撃、二撃では頚を落とすことができません。
悲鳴嶼さんは間髪入れずに鉄球と手斧で頚を挟み切ろうとしましたがそれは黒死牟の刀に阻まれます。
これでもかと頚に迫る怒涛の猛攻。
その原因を作る血鬼術と、激痛を生む赤く染まった刀。
憎き弟・縁壱と同じ赤い刃がまたも縁壱との記憶を思い出させます。
「後継をどうするつもりだ?」
「我らに匹敵する実力者がいない」
「呼吸術の継承が絶望的だ」
「極めた技が途絶えてしまうぞ」
「兄上」
「私たちはそれ程大そうなものではない」
「長い長い人の歴史のほんの一欠片」
「私たちの才覚を凌ぐ者が今この瞬間にも産声を上げている」
「彼らがまた同じ場所まで辿り着くだろう」
「何の心配もいらぬ」
「私たちはいつでも安心して人生の幕を引けば良い」
「浮き立つような気持ちになりませぬか」
「兄上」
「いつか」
「これから生まれてくる子供たちが」
「私たちを超えてさらなる高みへと」
「登りつめてゆくんだ」
上弦の壱・黒死牟戦、決着です。
全員が一丸となり、無一郎くんと同じように赤くなった実弥さんの日輪刀と、それに応えるように同じく赤くなった悲鳴嶼さんの鉄球によって黒死牟の頚は落とされました。
黒死牟が頚の弱点を克服していたとしてもこれで決着です。
「後生畏るべし」という考えに至ることができなかった黒死牟は、もうとっくに間違ってしまっていたのだと思います。
次回から丁寧に黒死牟、もとい継国巌勝さんの長かった旅路がまとめられることでしょう。
ただ……払った犠牲も大きかったです……。
無一郎くん……玄弥……。
はい。
しんみりしてます。
黒死牟の月の斬撃は血鬼術だったっぽいですよねこれ。
技が出ぬ、というよりは術が出ぬという感じ。
なんか……なおさら血鬼術無しなら簡単に悲鳴嶼さんに負けてたんじゃという感想……。
剣士としてはそれ程別格な強さを持っていた訳ではないのでしょうか。
なんか縁壱さんとセットで考えてしまっていたので世代では縁壱さんを除けば一位二位を争う印象だったのですが……。
あの赤い刃、赫刀はどういうものなんでしょうか。
これってもしかしたら過去の炎柱の自信を奪ってしまったものなんじゃないでしょうか。
痣が出る出ないよりも“透き通る世界”や赫刀の方が辿り着く場所に近い気がします。
武術や技術を極めた末に辿り着く境地が“透き通る世界”で、
使命や責任感、迷いのない覚悟を持った者が手にし得るものが赫刀とか。
いや“透き通る世界”に入れるようなものであれば赫刀には意外とすんなり辿り着くのかな。
と思ったけど実弥さんは透き通ったような描写が無しに赫刀になってますね。
やっぱり極めた者が辿り着くのが“透き通る世界”で、
熱い想いや揺るぎない覚悟が赫刀かな。
だって黒死牟赫刀出せないですもんね。
うむ。
次回になってみないと分かりませんね。
縁壱さんの言葉と重なるように後生によって黒死牟の頚が落とされる流れは完璧でしたね。
色んな想いが混ざり合って凄い顔で読んでましたよトンガリは。
というか無一郎くんのこの描写はいいの?
大丈夫?
霞柱推しの方々平気でしたか?
トンガリは割とダメです。
「老いるということも、死ぬということも、人間という儚い生き物の美しさだ」
悲しい以上に無一郎くんの圧倒的な才覚が凄すぎて辛いです。
上弦の壱と一対一で対峙して、渾身の技を繰り出すもあっさりと腕を落とされてしまい、
それでもまるで闘志衰えず、すぐに止血をして向かっていく……。
その後、磔にされるも自力で刀を抜いて、手に刀を縛り付け少しでも役に立とうと捨て身の戦いを仕掛け最後は上半身だけになっても新たな力を得て仲間たちの窮地を助けるって……。
心の強さと剣の才が凄すぎて、凄すぎます……。
玄弥と無一郎くんどうなるんでしょうか……。
鬼になって人を喰ってしまう前に取り押さえて延命とかはちょっと何か鬼滅の刃的に……。
でも百歩譲って珠世さん印の鬼の再生力を応用した超回復薬なら……!
いやそれでもさすがに人間が上半身と下半身を両断されたら……。
玄弥も……流石にあの斬られ方は……。
それに半天狗戦の時に「頚は回復できねぇ」って言ってたので縦斬りでも頚へのダメージは回復できなさそうなイメージが……。
次回を待つしかありませんね……。
玄弥と言えば、銃弾のことを肉弾と言ってましたね。
また、木にも半天狗戦では描写されなかった「血を吸う」という効果があることもわかりました。
半天狗からコピーしたのではなく玄弥固有の血鬼術という可能性もまだありそうですね。
それか半天狗からコピーしたものと、他の血を吸う能力を持った鬼を喰った時の能力との複合技とかの可能性も。
そこまでいくと、無惨ばりに鬼の能力を吸収できることになってしまうので鬼として見ても強力過ぎますが……。
というか能力を取り込めるって無惨並に凄いですよね!?
無惨倒したと思ったら、その能力を逆手に取って玄弥の体の方に自身を移していて~とかありそうで怖い!!!
あ、でもこの展開だと玄弥生きてる!
その後玄弥の中の無惨だけ滅殺して玄弥生還とかならアリ!!!!
縁壱さんの言葉。
「私たちの才覚を凌ぐ者が今この瞬間にも産声を上げている」と言っていましたが、
これって逆に、無惨側にも言えることですよね、とちょっと思いました。
無惨という鬼を作ったのは善良なるお医者様ですが、それだってその医者と同じかそれ以上の能力を持った存在が軍の研究医とかになってしまったら……と思ってしまいました。
呼吸の軍事利用よりも鬼の軍事利用の方が圧倒的にヤバい。
縁壱さんの言葉そのものは凄く好きな言葉でした。
自分たちだけが特別ではなく、いつの時代にも優秀な人材というものは生まれてくる。
これまでは鬼の時代だったかもしれませんが、今の鬼滅の時代のように、
圧倒的に不利なはずの戦いでも鬼に負けない剣士たちが数多く集まる時代がくる。
そうやって人間の歴史というのは紡がれ続けていく……。
その通りだと思います。
戦国時代に人間の歴史をこれだけ俯瞰して見渡せる人物というだけで凄い人ですね。
というか感情の僅かな機微見せてるんじゃないんですかこのシーン!?
人の営みに対して微かに微笑むような心温まる弟じゃないですか!!!!!!
結構普通に会話してますよね。
これは完全に黒死牟が嫉妬で拗らせて縁壱さんの話を聞こうとしていなかったのが悪いと思ってしまいますよ。
この会話してる時無に考えてるんでしょう……。
「お前みたいなやつがそう簡単に生まれてくるか」みたいな捻くれたこと考えていたんでしょうか……。
やはり短気で身勝手で暴力的である無惨という鬼に共感する鬼にも大した人材はいませんでした。
黒死牟くらいは心身ともに鍛え抜かれた敵ながら天晴な鬼になるかなと思っていたんです……。
とか言って次回からの黒死牟の回想でまた印象転換されてしまったらどうしよう。
ここから猗窩座の時のようには持っていけませんよね。
“赫刀”。
新たに強者のみが持ち得る力が登場しましたね。
黒死牟ですら持っていない高み。
発現というか、会得の条件はどんな感じなんでしょう。
流石にこれは痣の発現とかと違って具体的な条件とかではないと思いますが。
無一郎くんが「鉄同士がぶつかり合って赤く――…!!」と言っているんですが、
もしかして刀側の力量の可能性も?
極限まで磨き抜かれた刀鍛冶の技術と洗練された剣士の覚悟が合わさった時に日輪刀が赤くなるとか……?
う~ん……。
黒死牟さんの“眼”に対するこの異常に拘ったデザインは次の回想で語られるのでしょうか。
自分で「醜い姿」とまで言っていましたが眼球のことなのか惨めにも鬼として生き永らえていることを指しているのか。
書こうとしてたことがたくさんこぼれ落ちている気がします……。
今回は筆が……ほんとにとにかく筆が進みませんでした……。
でも読み進めていく時の「あと少し……あとひと押し……!」という緊張感と焦燥感と悲壮感は……なかなか味わうことのできない感覚だったと思います……。
物凄くエモーショナルな一話だったんじゃないでしょうか……。
凄い振れ幅というか……怒涛の勢いでした……。
でも、勝ちましたよね。みんなで。
これで鬼舞辻無惨打倒に繋がるはず。
次回は頚を落とした黒死牟の体を、悲鳴嶼さんが僅かな油断もせずにこれでもかと細切れにしてくれることでしょう。
そして無惨の弱点というか、最も恐れていることとかを教えてくれたりするかもしれません。
ヒュー、凄く雑な予想!
一週間あれば復活すると思いますので次回はガンガン盛り上げていきたいと思います!!
もしここから頚を再生なんかしたら絶対許さないからな黒死牟!!!!!!!!
トンガリさん、苦しい中書いて下さってありがとうございます。
読みながら泣き通しです。
前回、一緒にお話ししていた前向き思考の薬。
蝶屋敷の面々が準備していて鴉に持たせているとか、そういうのを無理やり考えて全員復活に活路を見いだせたらと、もう苦しいほどのポジティブ出しておきます。
あの双子の時代に例外があったのだから、やはり今の世に何かが起きないわけがないと思っていましたよ!
さすがとしか言えません。お見事です。
隊士達の心根の芯は、真っすぐに、ただひたすらに真っ直ぐ、殲滅するという意志を拾い集め刃が色を変えたのだと思います。
隊士の皆、これが最期の戦場と目指し修行し、その覚悟で一振り一振り全て魂込めて挑んで負傷しても前を見ている、応援するだけの不甲斐なさが辛いです。
残りの隊士全員生還を強く望んでいる希望が徐々に削がれるのが切ない中、どんでん返しを待ち望んで諦めきれないしぶとい自分がいます。
同期組、愈史郎、誰でもいいから、吉兆をもたらしてほしい。
縦かぁ~脊髄ずれてたらセーフとかないですかねぇ
また炭治郎の歌が脳内エンドレスです。
希望を捨てず、次回を待ちます!!
折れてる私じゃだめだよぉ~と汚い高音で自分を叩いておきます。