出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第117話
週刊少年ジャンプ2018年32号
なんと今回の鬼滅は、上弦の伍・玉壺と戦っている霞柱・時透無一郎くんサイドからスタート。
前回の引きで炭治郎がかっこよく啖呵を切っていたので半天狗戦続くかなぁと思っていましたが無一郎くんの生存が確認できただけでも嬉しいです。
生存とは言っても玉壺が放った血鬼術”水獄鉢”から脱出することはできておらず……。
肺に残った空気で「霞の呼吸 壱の方 垂天遠霞」を繰り出すも、破ることは叶いませんでした。
絶望的な状況を見て、自分の命でさえも「だめだな おわった」なんてあっさりと判断を下しています。
頭の中で「応援が来てくれるといいけど」などと冷静に考えていると記憶の中の炭治郎がまた声をかけてきました。
「どうしてそう思うんだ?」
「先のことなんて誰にもわからないのに」
イメージの姿は炭治郎ですが、その言葉は炭治郎から言われたことのないものでした。
「言ったのは誰が?」と自問しますがその記憶には未だ霞がかかっています。
場面は変わり、玉壺が鉄穴森さんを退けアバラ屋への侵入を果たしていました。
鉄穴森さんが攻撃を喰らっていますが致命傷ではなさそう……。
玉壺がアバラ屋で目にしたものは一心不乱に刀を研磨している鋼鐵塚さんの姿。
「おいそこの人間」と声をかけますが極度に集中している鋼鐵塚さんには聞こえておらず玉壺は衝撃を受けます。
「きっ…気に喰わぬ! 私とてこれ程集中したことはない! 芸術家として負けている気がする!」
芸術家気取りのプライドに傷が付いたのか妙な対抗心を燃やし、金魚を使って死なない程度の攻撃を繰り出します。
しかしそれでも一切手を止めないほど刀の研磨に没頭する鋼鐵塚さん!
その顔からはひょっとこの面が落ち、想像を遥かに越える端正な顔が現れました!
鋼鐵塚さんめちゃくちゃイケメンじゃないですかーー!!
益荒男というかなんというか。逞しく、且つかっこいい!
こ、こんな顔で癇癪起こして炭治郎のこと追いかけ回していたんですか……。
ギャップ凄い……。
しかしこの顔であのムキムキな身体……。
バランスわる……いや美丈夫と言えるのでしょうか。
流石にこれは作業に集中しているのだとは分かりますが、読んでいて「相変わらず人の話を聞かん男だな」という鱗滝さんの言葉を思い出して少しフフッてなりました。
なんか鱗滝さんが恋しい。
水の呼吸師弟成分が足りてません……。
縁壱零式から出て来た刀には刀匠の名前は刻まれていなかったらしく、刻まれていたものと言えばただの一文字のみ。
しかし鋼鐵塚さんには、その一文字、その一念のみを込めて打った刀だということが分かるほどの何かを感じさせるすごい鉄、すごい刀であるようです。
すごい鉄って言ってるから材料からして普通の作り方じゃなさそう……。
研磨されたところから、炎が揺らめいているような刃文が現れ始めていますね。
黒いように見えるので、すでに黒刀の使い手が持ち、色変わりをしている刀なのかな。
仮にこの刀が初代日の呼吸の剣士殿の「戦う時だけ赤くなる刀」なのだとしたら、その刀を打った人というのも何だか凄そうですね。
当時から刀鍛冶の里はあったのか。
「戦う時だけ赤くなる刀」は誰が打ったのか。
うしおととらでは乙女の身を捧げられて作られた”槍”が物語の根幹となる武器になっていました。(からくりサーカスアニメ化おめでとうございます!)
鬼滅の時代でも人身御供とか残ってそうですし、もしかしたら日の呼吸の剣士の恋人や妹、または懇意にしていた刀鍛冶一家の兄妹がその身を捧げて作った刀とかだとしたら……。
日の呼吸の剣士の「大切なものを何ひとつ守れず~~何の価値もない男なのだ」という言葉に繋がったりするかも?と思いました。
個人的にはもうちょい爽やかな刀であってほしいとは思いますが……。
あと刻まれてる一文字、なんでしょうね。
- 鬼を滅する系(滅・殺・斬)
- 人を守る系(救・守・護)
- 象徴的な言葉(日・心・愛)
こんな感じだとは思いますが……。
鋼鐵塚さんが「一念を込めて~」と言っているので行動理念的な文字だと思うので”日”とか”心”はちょっと弱いですね。
やっぱり“滅”で鬼滅の刃のタイトル回収でしょうか。
なんか意外性があってなおかつグッとくる一文字あるかな。
こういうのは予想してて楽しくなってきますね。
そして玉壺はめっっっちゃ人間臭い理由で足止めを喰らうことになりました。
こいつほんとやることなすこと……。
なんで無惨様に処刑されないのかが不思議なくらいです。
まだ確定していない情報を嬉々として伝えようとしていた時みたいに、割とおしおき常連みたいな問題児なのでしょうか。
まぁでも確かにパワハラしてて楽しいのは猗窩座か玉壺って感じがするような、しないような。
玉壺のこの余計な時間が刀の研磨の完了や、増援が間に合うといった致命的なミスに繋がると思うと少しだけ溜飲が下がる思いです。
無惨様めっちゃイライラしてそう。(人間の部分を多く残していた者から負けていく……)
場面は変わり水獄鉢で死にそうになりながら、炭治郎の姿で話す霞がかった記憶と自問自答している霞柱・無一郎くん。
「死ぬ…空気がつきた」
(自分の終わりを自分で決めたらだめだ)
「君からそんなこと 言われてないよ」
(絶対どうにかなる諦めるな 必ず誰かが助けてくれる)
「何それ結局人任せなの? 一番だめだろうそんなの」
(一人でできることなんてこれっぽっちだよ だから人は力を合わせて頑張るんだ)
座右の銘にしたいくらい良い言葉です。
一人でできることを軽く見ている感じではないのがまた良い……。
そこに小鉄くんが助けにきました。
と言ってもこの水牢は外からでも斬れないらしくもたついている間に玉壺の金魚に襲われてしまいます。(一応玉壺もちゃんと仕事してた)
水中から必死で早く逃げろ!と呼びかけますが声は届きません。
あっという間に小鉄くんは鳩尾を刺され重症です。
それでも無一郎くんを助けるべく、水獄鉢へと近付きます。
「君じゃだめなんだ どうしてわからない」
「君にできることはない!」
瀕死の小鉄くんが考え出したもの。
それは空気!
自分では無理でも柱である時透さんなら!と考えたのでしょうか。
それは無一郎くんにも思いつかなかった脱出方法。
自分ではない誰かを救うためという考えだからこそ閃いた発想だったのでしょう。
「そして人は 自分ではない誰かのために」
「信じられないような力を出せる生き物なんだよ 無一郎」
「うん 知ってる」
霞の呼吸 弐ノ型 八重霞
小鉄くんから受け取った一息分の空気で放った技は見事に水獄鉢を斬り裂きました!
無一郎くんかっこいいいい!!!!
記憶が霞んでいる剣士の、「うん、知ってる」は卑怯ですよー!!
目の前で見せられ、そしてまさに今自分が発揮した力だからこそ答えられる言葉!
無一郎くんの株の上がり方が尋常ではありません!!
さあここから逆転だー!
玉壺戦これでもかというくらいに盛り上がってまいりました!!
半天狗戦と比べても緊迫感が違いますね……。
小鉄くんなんてほんとにこのまま死んじゃってもおかしくないですし……。
無一郎くんが思い出している会話の主も、炭治郎の姿からその人そのものの姿になっていました。
これは無一郎くんの記憶の霞が晴れてきている描写でしょうか。
お父さん、お兄さん、先祖の記憶の遺伝と色んなことが考えられますが、炭治郎系統の顔立ちですよね。
特に眼が!
鬼滅の刃は眼の描き方にこだわりがあると思うので竈門の家系なんでしょうか。
あ、でも名前呼ばれてるから先祖の記憶は違うかな。
気になります。
それと無一郎くんの一人称が俺と僕で共通されていないのが気になるんですがこれも何か理由があるのかな。
記憶がなくなって俺になっただけで、記憶が無くなる前は僕だったから失われた記憶が戻りかけてる時は僕、とか?
途中でうしおととらのこと書いてて思いましたが、縁壱零式に隠されていた刀が「使えば使うほど鬼に近付いていく刀」とかだったら……。
上弦の壱・黒死牟は刀を使い続けた剣士の成れの果て、とか……。
縁壱零式に封印されていたのも、絡繰を壊す強さと、錆びた刀を研磨できる刀鍛冶の仲間がいる剣士に託したかったからとか考えるとロマンチックですね。
なんか……玉壺戦の方が物語の根幹に関わる重要な伏線が多く配置されてる……?
だからこんなに盛り上がるのかな……。
来週は玉壺戦か半天狗戦どっちでしょうか~~!
無一郎くんが水獄鉢を脱出できたので恋柱・甘露寺蜜璃さんは半天狗の方に向かう可能性が高くなってきましたね!(半天狗がめっちゃでかい声で叫んでたし)
上弦と柱の戦いは燃えます……。
炭治郎たちの戦いが退屈とか不要という訳ではなく、やはり真打ち登場という感じがします。
もうほんとに待ちきれなくて……。
次のジャンプは月曜日が祝日なので土曜日に発売かな!?
それまでひたすら隅々まで考察して過ごします!!!
吾峠先生ありがとうございまーーす!!!!