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鬼滅の刃 第186話「古の記憶」感想・考察

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186
週刊少年ジャンプ2020年2


おはこんばんにちは!!
トンガリです!!

今回は瀕死の炭治郎が炭吉さんの過去を回想していくお話。
しかも次回へ続きます。

回想は単行本12巻の第99話「誰かの夢」で見た夢の2年後のお話。
炭治郎たちのご先祖様の炭吉さんとすやこさんが始まりの呼吸の剣士・縁壱さんに命を救われた後のお話です。

あの時に縁壱さんが抱っこしていた赤ん坊の名前はすみれちゃんといい、健やかに成長しているようでした。

炭治郎は意識は内在していても思ったことは話せず体も勝手に動いてしまう状態です。
記憶の遺伝なのでただただご先祖様の記憶を辿ることしかできないのでしょう。
鬼滅の刃の世界観で過去を変えることはできませんよね。

さらっと差し込まれた現実世界の様子はというと。
村田さんが一生懸命炭治郎に救命措置をとっていますが様子は変わらず呼吸も心音も今の村田さんには確認できず。
そんなところに他の隊士が来て「手伝ってくれ愈史郎が下敷きになってるんだ」と村田さんを引っ張っていってしまうという状況です。

愈史郎が下敷きになってるんだ!

愈史郎!
残り少ない鳴女の細胞をギリギリまで使い、全力で無限城を操作していたからかなり雑に瓦礫をかぶってしまったのでしょう。

でもそういう状況に陥らなさそうなイメージがあったからちょっとだけ笑ってしまった……。
てっきり何かしらの裏工作を働いているものだとばかり思ってたから……。

ギリギリの極限状態で頑張ってくれたんだろうなぁ。

鬼なので致命傷を負っているとかそういうことは無いと思いますが早急に救助してあげて欲しい。
そして炭治郎の毒ダメージを一時的に止めて欲しい。

話は回想に戻り、2年ぶりに訪れた縁壱さんは「誰かに話を聞いて欲しかった」とこぼします。
随分考えて思い浮かんだのが炭吉さんとすやこさんの顔だったとのこと。

炭吉さん一家が幸せそうで嬉しい、幸せそうな人間を見ると幸せな気持ちになると話す縁壱さんはやはりとても優しいですね。

「この世はありとあらゆるものが美しい」

「この世界に生まれ落ちることができただけで幸福だと思う」

縁壱さんは自身の生い立ちを語り始めます。(回想の中でさらに過去を回想する鬼滅の刃)

まずはお母さん。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186

とても信心深い人で、この世から諍い事が無くなるよう毎日毎日祈っていたそうです。
縁壱さんが付けている耳飾りも、縁壱さんの耳のことを思い作ったのだと言います。
耳飾りはお母さんが手作りしたもので何か特別なものということはなさそうです。
そんなお手製のものが何百年も受け継がれているところに竈門家の物持ちの良さを感じます。

次に兄・巌勝さん。

縁壱さんから見ると巌勝さんはいつも自分を気にかけてくれる優しい人でした。
縁壱さんに構っていると、縁壱に構うなとお父さんから殴られていましたが、
殴られた翌日にも笛を作って持ってきてくれたそうです。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186

「助けて欲しいと思ったら吹け」
「すぐに兄さんが助けにくる」

「だから何も心配いらない」

巌勝さん……。
色々と想うところはありますが……。

以前の黒死牟の回想と今回の縁壱さんの回想で、それぞれの見方にフィルターがかかっているのが興味深いですね。

全く触れられないお父さんは推して知るべしなのでしょうか。
しつけの為に子供を殴りつけることしかできない親はまぁ……この時代では普通なのかもしれませんが普通以上の何者でもありませんよね。
現にお母様は素晴らしい人ですし、それだけに残念なお父さんだと言えるでしょう。

お母さんが病死した後に家を出た縁壱さん。
「どこまでも続く美しい空の下を思い切り走ってみたかった」という想いがなんだか素敵です。
閉じ込められていた分、より世界が美しく感じられたのでしょうか。

ただ「私は一昼夜走り続けても疲れて足が止まるということがなかった」と語る縁壱さんは、やはり只者ではないと再確認させてくれます。

そしてお次はお嫁さん。
ここが滅茶苦茶意外でした。

なんと縁壱さんには結婚した女性が存在していました。

「流行り病で家族みんな死んじまった」
「一人きりになって寂しいから田んぼにいるおたまじゃくしを連れて帰ろうと思って」

と田んぼに桶を持ったまま長い間ぴくりとも動かずに立っていた少女。
しかし、日が暮れるまでそうしていると、その少女は桶の生き物を田んぼに逃がしてあげました。

「連れて帰らないのか?」

「うん… 親兄弟と引き離されるこの子たちが可哀想じゃ」

「じゃあ俺が一緒に家へ帰ろう」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186

このやりとりがとても優しくて尊くて凄まじく好きです。

家族を失うという余りにも大きな悲しみの中で、手にした小さな生き物に対して優しくなれる少女と、それを汲み取ってか自分が一緒に家に帰ると声をかけられる縁壱さん。
このワンエピソードだけでこの二人を大好きになって、幸せになって欲しいと心から願っています。

黒曜石のような瞳の心優しい少女の名前は“うた”ちゃん。

うたちゃんと一緒に暮らすことにした縁壱さん。

うたちゃんは朝から晩までよく喋る女の子。

うたちゃんのお陰で縁壱さんは自分と他人とでは世界の視え方が違うことを知りました。
その時初めて漠然とした疎外感の理由がわかった気がしたという縁壱さん。
疎外感あったんですね……。
同じように周りの人たちも異物感があったでしょう。
それでも縁壱さんのような特別な何かを持った人と接するには何が必要なのでしょうか……。
愛かなぁ……。

「“うた”は 糸の切れた凧のようだった私の手をしっかりと繋いでくれた人だった」

表情に乏しい縁壱さんに満面の笑みで一方的に喋りかけているように見えるうたちゃん。
それでもしっかりと握られた両者の手が、確かな絆を感じさせます。

十年後二人は夫婦となりました。
うたちゃんは臨月が近づき、出産に備えて産婆を呼びに出かけた縁壱さん。

これが全ての悲劇の始まりでした。

途中、山を三つ越えようという老人に出会いそれを助け、産婆を呼ぶのを明日にして家に帰ると、

うたさんはお腹の子供諸共殺されていました。

「自分が命より大切に思っているものでも」

「他人は 容易く踏みつけにできるのだ」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186

十日程も動くことができなかった縁壱さんの心境を考えると胸が張り裂けそうになります。

「私の夢は家族と静かに暮らすことだった」

「小さな家がいい 布団を並べて眠りたい」

「愛する人の顔が見える距離」

「手を伸ばせばすぐに繋げる 届く距離」

「それだけで良かったのに」

「そんなことすら叶わない」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186

「鬼が」

「この美しい世界に存在しているために」

ここほんと……。
物凄く込み上げるものがあって……。

普段あまり感情を感じさせない縁壱さんが淡々と語る、ごく当たり前の優しい世界が……。
そんなことすら叶わないと落胆する縁壱さんが見ていられなくて物凄く辛いです……。

でも鬼がいなくても人間の悪意でも同じような事態は起こり得ると思います。
狛治の時のような。
そういった悪意については縁壱さんはどう思うのでしょうか。
気になります。

あとさらっと出てきた煉獄家の方。
縁壱さんの話を聞いて自信を失くしてしまった方でしょうか。
その話のイメージが強くてちょっと心の弱い人だったのかなぁと思っていましたが、今回の話を読んでイメージは変わりました。
呼吸も使えない人間が純粋な剣術のみで鬼と渡り合い、命を懸けて戦っていた。
すべては鬼によって引き起こされる悲劇をなくす為に。

縁壱さんに掛けた言葉からも優しさを感じますし、鬼によって殺された者たちを弔いながら戦い続けていた心の在り方を考えると、とても立派な方だったことでしょう。

この時からおよそ三百年、ずっと炎柱が途切れることはなかったんですよね。
改めて凄いなぁ……。
責任感の強い方だったのかな……。

そして鬼狩りとなった縁壱さん。
この時代の煉獄家の剣士さんもそうですが、鬼を追う者たちは古くからいたそうですが、呼吸が使える者はいなかったとのことです。

鬼殺隊がしっかりした形になったのはいつからか分かりませんが追う者で言えば平安時代くらいからいたはずですもんね。
平安から戦国まで呼吸無しで鬼と渡り合っていたことを考えるとよく存続できていたなぁと思います……。
恐ろしい速度で人が死んでいたことでしょう……。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186

やはりこの時代でも柱は柱。
呼吸も体得し飛躍的に力が向上しているのが見事です。

あと炎・風・水・雷・岩の基本の呼吸は、呼吸が生まれる前から剣術の型として存在していたんですね!
それぞれの呼吸そのものは縁壱さんが作ったものでも、それ以前から受け継がれていたものがあったのは何だか嬉しいです。
煉獄家の歴史も相当に長そうですね。

さらっと兄・巌勝さんも鬼狩りに加わり力を貸してくれたと話していますが、巌勝さんはこの時から色んなことを思っていたんですよね……。

そしてそれから間もなく、縁壱さんは鬼の始祖・鬼舞辻無惨を見つけます。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第186

「出会った瞬間に」

「私はこの男を倒すために生まれて来たのだと わかった」

おおおお!!
早速、始まりの呼吸・継国縁壱VS.始まりの鬼・鬼舞辻無惨の戦いが見られそう!!!

というか珠世さんもいらっしゃる!!!

ここからどうやって無惨が逃げ延びるのか疑問でしたが、珠世さんがいるなら……うまく幻惑して逃げ切ったのかな……。

というか珠世さんも瞬殺されなかったの凄い。

やっぱりどうなるのかまったく分かりません。

無惨と珠世さんどうやって逃げ切った!?!?

滅茶苦茶気になる次回が楽しみすぎます!!!


はい!

次回がめっちゃ気になる引き~~!!!!

思いの外、縁壱さんが無惨滅殺に燃えているのでこれは無惨がどう逃げ延びるのか滅茶苦茶気になります!!
思いっきり不敵な表情をしてる無惨。
縁壱さんの実力を知らずにこの表情か、知っていて策があるのか。

巌勝さんが鬼狩りに加わって、それから間もなく無惨を見つけたと語られているので、
この時はまだ巌勝さんは鬼になってなさそうですよね。

この時縁壱さんは単独行動中だったのでしょうか。

う~ん……ここから違和感なく無惨を逃がすって結構難しいような……。
吾峠先生の手腕にかなり期待しています。

今回は新情報も結構ありましたね。

トンガリ的には縁壱さんの奥さんである“うた”さんの存在が一番印象的でした。
どこか浮世離れした縁壱さんが妻を持ち、子をもうけようとしていたことに少なからず驚きを感じました。

以前に炭吉さんと話していた、「私は大切なものを何一つ守れず」というのは剣士の仲間たちだけでなく“うた”さんとその子供のことも含まれていたんですね。

「人生において為すべきことを為せなかった者」というのは無惨滅殺のことでしょうか。
でも無惨が絶対に見つけることのできないどこかに消えた訳ではないし、まだまだ続く人生の中でいつか為し遂げることができたかもしれないのにあの言い方は何故なんでしょうか……。

それとも無惨は縁壱さんが寿命で死ぬまでどこか人の入れないところに引きこもってた!?

時系列的には、2年前に炭吉さん一家を救ったのは今回ラストの無惨戦の後、巌勝さんも鬼となってしまった後でしょうか。

何故今になって誰かに話を聞いて欲しくなったのか。

前回と今回の間に何があったのかも非常に気になるところです。

単に心変わりしただけかもしれませんが。

多分今回日の呼吸(ヒノカミ神楽)と耳飾りを竈門家に託すんですよね。
ふむ。

なんか今回の話は細かいコマの描写が凄く良かった。
最初に縁壱さんがぺこりとしてるところも、「この子たちが可哀想じゃ」と「俺が一緒に家へ帰ろう」の間のコマとか手を繋いでる縁壱さんと“うた”さんのコマとか戦で負傷した息子と会えて泣いているおじいさんとか開いた戸から声を描ける煉獄家の剣士とか布団を並べて一緒に寝ている縁壱さん家族とか。

何だか心に染み入るコマが多かったように思います。
トンガリに刺さっただけか。

“透き通る世界”が視えている縁壱さんなら、“うた”さんの出産も助けなんかいらなかったんじゃないかと思ってしまったのですが……。
今ですら出産はとても大変なものだし当時の出産はもっと大変だったんだろうなぁ……。
難しいか……。

戦国時代の水柱の服が鱗滝さんの服と同じ模様。
鱗滝さんも代々続く剣士の家系なのでしょうか。

久しぶりに恐る恐るではなく、心から次の話が早く読みたくて読みたくてたまらない引き。
気持ち良く次回を心待ちにさせていただきます。

吾峠先生、いつもありがとうございます。

こんなブログを読んで下さる方やコメントを頂ける皆さま、本当に支えられております。
ありがとうございます。

にも関わらず返信が遅くなったりしていてごめんなさい。
どうにも現実世界が慌ただしく、師走とはよく言ったものでございます。

ここ最近のジャンプの新連載面白い。
ジャンプ+にも面白い作品たくさんあるし……。
もっとたくさん感想記事書きたい…………。

落ち着いたら書きましょうね。

寒い日が続いておりますが、皆々様のお体健やかに、心安らかに過ごせますようお祈りしております。

今年も残り僅かとなりますが、年末年始、無惨滅殺まで駆け抜けていきましょー!!

それでは次回もよろしくおねがいします!!

キメツーーーーーー!!!!

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