サイトアイコン マンガモア

鬼滅の刃 第163話「心あふれる」感想・考察

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話
週刊少年ジャンプ2019年30号


おはこんばんにちはー!!
トンガリです!!

童磨戦、決着でーーす!!!!(直球)

正直童磨のような手がつけられない強敵にはこれくらい人間側に都合の良い展開で退場して頂いても構わないと思っているので機嫌が良いです。
童磨は人が勝つには強すぎます。
そしてそれを覆したしのぶさんの努力と功績は言うまでもなく素晴らしかったです。

猗窩座戦とはまた違った結末ではありますが、これはこれで嫌いじゃありません。
というか上弦の参、上弦の弐と連続で描き、なおかつ息つく暇もなく決着をつけていくって吾峠先生は展開力の鬼ですね。

さてでは今回も振り返っていきます。
頚を斬られた童磨がボロボロに腐る体とは裏腹に冷静過ぎるほど冷静な思考を巡らせています。

童磨評では、

とのこと。
童磨は剣術の基礎とか分かるのか……。
ちょっと剣術をかじったとかでなく、何百年でも剣士と殺し合いをしていたら自然と覚えたって感じでしょうか。
それでも一応柱稽古を乗り越えたカナヲちゃんや伊之助でもやっぱり雑魚なんだなぁ。
煉獄さんと猗窩座の戦いが随分前のことのように感じるけど、煉獄さんと伊之助の差はどれくらい近付いたんだろう。
なんて考えるだけで寂しくなってしまいますが。

侮るくらいの相手だけどある程度は興味を唆られる程度の実力はあったからこそ情報収集のために時間をつかった攻め方をしたり殺さずにいたぶったりしていたので、童磨にとっては全てが裏目に出ましたね。
逆に鬼殺隊側はいつ吸収されるかも分からない状況でちゃんと戦闘中すぐに全身丸ごと吸収され、
効くかも分からない全身毒がしっかりと効き、
童磨を逃さないよう援軍がしっかりと到着することができ、
前述の通り時間稼ぎにはちょうどいい剣士だった、ということになりますね。

かなり運要素の強い勝利だったと思います。
細い細い勝ち筋を何とか手繰り寄せた執念の勝利……。

今にも崩れさろうとする童磨は相変わらず「これで消滅するなんで俺が可哀想すぎる」なんて言っているので何とも緊迫感がない。
「これ程人に尽くし世の中に貢献して生きてきた俺が…」ってやっぱりそんな風に考えていたのか!
確かに何かしらの人助けもしていたのかもしれないが嫌がる人を喰ってたらそりゃ報復されるよ!!

鬼舞辻無惨や死ぬ直前の猗窩座の変化を思い出し、「俺だってきっと」と思い直しますが、

「うわーー体崩れ始めた、駄目なんだ俺は

「死ぬんだ俺」

なんかここテンポ良くてダメです……。
結構大事なシーンだと思うのにその思考の速さにちょっと笑ってしまう……。

そしてやはり童磨は死を目前にしても尚、何も感じていません。
可哀想すぎるというのは客観的な視点での意見であり、童磨自身は死んだあとどうなるんだろう?くらいにしか捉えていないのかもしれません。

父が信者の女に手を出しまくる色狂いで、母はその父を滅多刺しにして服毒自殺をしたと残念をエピソードをさらっと紹介してまた何にも感じなかった話を続けます。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

「二十歳の時に鬼にして貰って百年以上生きたけど結局」

「人間の感情というものは俺にとって他所事の夢幻だったなあ」

この世での童磨最期の思考は感情が無いことへの思い……だったのかなこれは。
どうでもいいことかなと思うのですが、童磨の頭の血をかぶったような模様は無惨に頭(脳ごと)を掴まれて鬼になったからその痕なんでしょうかね……。
無惨へのリスペクトは本当だったのだろうか……。
童磨の死に際には結局無惨テレパシーは来ませんでしたが……ふむ……。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

死んだと思ったらビックリ。
あの世への道の途中、しのぶさんが待ち構えていました。

ビックリしました。
しのぶさあん……。
なんでちょっと生き生きしてるんですか……さみしいです……。

しのぶさんが楽しそうに話しててちょっと寂しさが和らぎました。
童磨も童磨で全く動じずに対話するの凄い。

「凄かったねあの毒の威力、回りきるまで全く気づかなかった」

称賛しているのか探りを入れているのか、感想戦のような会話になっています。
童磨にすら毒が回りきるまで気づかせなかった真相は、珠世さんの協力があってこそでした。
長期間の藤の花摂取による全身毒化はしのぶさんの策。
毒の効きが遅くなる作用のあるものを取り入れたのが珠世さんの策って感じでしょうかね。
鬼用の麻酔とかでも作っていたのだろうか珠世さん……。
流石に百年以上も生きている鬼の研究には、人間の寿命の内では命を懸けていても追い越すのは難しそうですね。
珠世さん凄い。
珠世さんも鬼を殺しきれる毒とか作ってるんじゃないの。
でも鬼と接触したら無惨に居場所が割れちゃうから使う機会ないか。
でもなんでも備えて持ってそうなイメージができてしまっている。
無惨とくっついてしまっている現状の珠世さんが心配になってきた……。

「できることなら自分の作った毒でお前を葬りたかった」

と言っているしのぶさんもかっこいい。
研究者としての矜持を感じますね。(あと仇討ちの執念)

「まだ鬼の始祖も残っていますが、きっともう大丈夫」

「仲間の誰かが必ずやり遂げてくれる」
「私はそう確信している」

しのぶさん、お疲れ様でした……。
本当にありがとうございました。
上弦の弐滅殺、文句なしのMVPですよね。
戦闘中はもちろん、それまでに懸けてきた積み上げてきたもの全てかっこよかったです。

そしてそんなしのぶさんを見て童磨の様子が……。

「…わぁ、何だろうこれ、何だろう」

「今はもう無い心臓が、脈打つような気さえする」
「これが恋というやつかなぁ可愛いねしのぶちゃん」

「本当に存在したんだねこんな感覚が」
「もしかすると天国や地獄もあるのかな?」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

「とっととくたばれ糞野郎」

童磨に初めて芽生えた感情ッ!!

意外!!
それは恋ッ!!!

そして初めての告白は「俺と一緒に地獄へ行かない?」!!
しかも振られる!(そりゃ振られるわ)

なんで二人とも死後の方がノリノリなんだよぉっ!!
童磨は軽いよ! 軽い!!
もっと死への恐怖とか敗北への憤懣とか無いの!?

最後の最後まで凄く童磨らしかった……。
生前に鬼殺隊の誰かに恋したりしなくてよかったよ……。

キメツ学園での活躍が楽しみなキャラクターが増えましたね。

童磨の残り滓を足で踏み砕き、グリグリして完全にトドメを刺した伊之助。
童磨の血鬼術を避け続けていただけでも体力的にはかなり消耗しているっぽいです。
それほど傷は負わなかったのにこれだけ消費しているのはそれだけ極限の戦いだったということでしょう。
息も絶え絶えの中、炭治郎や善逸に「俺に母親はいねぇ!!」と話していたことを思い出す伊之助。

「誰にでもいるよお母さんは」

「だったら俺は捨て子だ、母親は俺がいらなかったんだ」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

「やむにやまれぬ事情があったんだろ」
「本物の捨て子ならおくるみに名前も入れねえよ俺みたいにな」

「俺には母親の記憶なんてねぇ、記憶がねぇならいないのと一緒だ

母親がいる=軟弱者みたいなイメージでもあるかのように母親はいないって頑ななのが何だか切ないです。
育ててくれた母イノシシをお母さんだと思ってるとかそういうことなのかな。

そしてしれっと描かれる善逸の悲しいエピソード。
善逸捨て子だったんですね。
しかも名前も付けてもらえなかったという。
ということは親は顔も見たことがないってことかな。
善逸という名前は善逸を引き取った人が付けたのだろうか。

炭治郎が伊之助にかけた言葉。

「そんなふうに言わないであげてくれよ伊之助」

「伊之助のお母さんはきっと、伊之助のことが大好きだったと思うよ」

今になって伊之助の胸に刺さるこの言葉は家族を大事に大切にする炭治郎の言葉だからこそ届いたのかもしれません。

伊之助お疲れ様でした!
束の間だろうけど今はほんの少しだけでも心を休めて欲しい!!

カナヲちゃんはと言うと、しのぶさんの髪飾りを探していました。
右目がほとんど見えていない……けど失明はしていなさそうです。
少し安堵。

カナヲちゃんが付けていたカナエさんの髪飾りも壊れてしまいました。
(むしろ今まで戦闘中に付けてて壊れなかったのが凄い、凄い戦闘力)


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

「カナエ姉さんが死んだ時、泣けなくてごめんなさい」

謝るカナヲちゃんですが、謝っているのは髪飾りを壊したことではなく、
カナエさんが亡くなった時に涙を流すことができなかったことに対する謝罪でした。

体中汗をかくばかりで涙は出なかった、と。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

「次の朝には冷たくなってた兄弟が何人もいた」

同期組の境遇がみんな悲惨過ぎる!!!!(涙)

嘘でしょう……。
視覚が優れているのも両親からの暴力から生き延びるためだったなんて……。

性質上仕方がないとはいえ、鬼殺隊のメンバーは人生が辛すぎます……。
あ、鬼もだった。
なんて悲しい世界。

カナヲちゃんは宇髄さんにアオイちゃんたちがさらわれそうになっていた時も汗ダラダラでしたね。
あの時もまだ感情を表に出すのが慣れていない時期でしたね。

そして炭治郎が遊郭から戻ってきて目を覚ました時の涙ぐむカナヲちゃん。
この時にはもう人の無事を喜んで涙を浮かべることができるようになっていたんですね。
というか涙ぐむレベルって、炭治郎が目を覚ました時めっっっちゃくちゃ喜んでたんですね。
確かに分かりづらい。

そして炭治郎が目を覚ましたあの時アオイちゃんがとんでもなく号泣していたのを思い出しました。
もしかしてアレも、自分の代わりに行ったからということだけじゃなくて、感情を表に出すのに慣れていないカナヲちゃんの代わりに二人ぶん以上に泣いていた……?
思えばアオイちゃんの怒りっぷりとか感情的なところ目立つな?
もしかしてカナヲちゃんが感情を出しやすいように自分は全力で感情表現をしていたとか!?
妄想だけど萌える!!!!!!!
でも無限城編終わってみんなで帰ってその中にいないしのぶさんの死を知ってまた号泣しちゃうのイヤアアアアアアア!!!!

「姉さんに言われた通り仲間を大切にしていたら助けてくれたよ」

カナエさんかしのぶさんか、こんなこと言ってたんですねぇ。
家族で鬼殺隊って少なそうですけど暖かい気持ちになりますね。

そしてしのぶさんの髪飾りを水の中から見つけました。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

バッと大切そうに胸に抱えたところに姉二人のこの演出は……。

泣きます。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第163話

二人は天国で待っていた両親の元へ行きました。
家族みんなが再会することができました。

いつも隊服をきていたしのぶさんの着物姿が眩しいです……。
天国があって欲しい……。

そして泣くことのできなかったカナヲちゃんがかけがえのない二人の姉を想い涙をこぼす姿を見て……。

涙です……。


しんみり……。
残された側って寂しいですね……。

あーー、今回の話、すごく良かったです!!

童磨は童磨で相変わらず、全く変わりなしって感じでしたね。
地獄もあるのかな?と感じても恐怖の色は微塵もなし。
死してなお欲しかったものを手に入れたこの勝ち逃げ感。
ふーむ、厄介でしたな。
これだけ見事に素直に退場されると憎めない。
女に執着してた理由とか琴葉さんのこととか家族の愛を求めてたとか、
そういった悪く言えばありがちな要素が一切入っていませんでしたね。
むうう、この貫きっぷりは本当に心の感覚が無いって感じしますね。
最後の邂逅で芽生えたものはいったいなんなのか……。
童磨のことだから何が起きていても不思議ではないですね……。

無惨も童磨の死にはノータッチでしたね。
猗窩座の方が期待されてたのかな。
それとも童磨は使えるけどさらなる高みへは辿り着かないだろうという予感があったのかな。

不気味な敵でしたね~~。
何かが少しでも違えば倒せなかったんじゃないかと思わせる強敵!
しかし巡り巡って、結果としては実力を発揮しきれずに退場!
こういう巡り合わせで主人公側が勝利するってのは少年漫画では結構珍しいのでは……?
いつも主人公が不利だったり不運だったりに苦戦するイメージがある……。
主人公側はそれでも勝ってしまうけれども……。
しかしまぁ勝負というのはそういうものですよね。
特に命を懸けた戦いというのは何が起こっても不思議ではないでしょう。
命を懸けたことはありませんが……たぶん……。

そしてカナヲちゃんも伊之助も良かったーー!!
ふたりとも大なり小なりダメージはありますが生還!!!
まだ無限城内ですし油断はできませんが、最終決戦には参加しないのでは!?
いや伊之助はしそうだ……。(俺は怪我してねえ!!)

それにふたりともまたさらに強くなった気がします。
この数話は凄くギュッと詰め込まれていたのでスピーディでしたがとても内容が濃かったように思えます。

珠世さんとの共同研究も明らかになったし童磨の散り際も堂々としたものでしたし胡蝶一家もきっと天国で集合できたろうし伊之助とカナヲちゃんも無事だったし、気分が良い!!!!
童磨の全開全力で純粋な戦闘力最強格の柱と戦っているところを見たかったという気持ちはありますがそんなことすると誰かしら死ぬのでそれは各自脳内で補完しておくということで。

次回には童磨の死が全体に伝わっているでしょう。

まぁさすがにここは外さないでしょう!!
この中のどれかです!!!
珍しく断言。

これで玄弥と風柱邂逅でわだかまりを解くエピソードとか入ってきたらもうトンガリの予想スキルのだめっぷりが逆方向に凄い。

蛇柱と恋柱をあえて外したのは一話使って描写してくれても嬉しいから……。
電柱に石を当てるつもりで投げたら当たらず、石をはずすつもりで投げたら当たってしまう法則の応用です。

次回は何が来ても新展開となるのでわくわくが止まりませんよこれ。
今回の話が綺麗にまとまったので一週間が長い……けど気持ち良く待てますね!!

しのぶさんカナエさんカナヲちゃん伊之助お疲れ様でした!!!!
童磨はドウマイ!(どんまい→どうんまい→どうまい)(ちょっと苦しいか……?)

それではまた次の投稿で!!

キメツーーーー!!!!!(定着しない挨拶)

モバイルバージョンを終了