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鬼滅の刃 第162話「三人の白星」感想・考察

出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話
週刊少年ジャンプ2019年29号


おはこんばんにちは!!
トンガリです!!

怒涛の展開だった前回から引き続き、今回もただひたすらにハイスピードな展開で息切れしてしまいそうです!!
横長で見れば表舞台で童磨と斬り結ぶ伊之助とカナヲちゃん、縦長で見れば舞台裏で睨み合うしのぶさんと童磨、という構図の巻頭カラーの表紙がかっこよくてもう……。
童磨が扇子を構えて思案顔をしているので将棋でも指しているように見えます。
現状はしのぶさんのまさに命を懸けた一手によって『詰めろ』をかけているような状態です。
果たしてここから盤面はどう動くのか……。
です!


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話

しのぶさんは初めから自分の命と引き換えに姉の敵である上弦の弐・童磨を討つつもりでした。
自分を喰わせて弱らせて、頚を斬れる剣士にとどめを刺してもらう、という作戦です。

そこまでしなければ勝てないという理由として、上弦の強さは少なくとも柱三人分の力に匹敵すると話しています。
初見で勝とうと思うなら、という数字でしょうか……。
相性が良く、且つ対策を取れていればその限りでは無いという感じでしょうか。

そして自分の命を懸ける根拠として、「上弦の弐は女を喰うことに異様な執着がある」という姉・胡蝶カナエさんの情報がありました。
身体能力が高く優秀な肉体を持つ「柱」、加えて「女」であればまず間違いなく喰うだろう、という推測を戦略に組み込み、自分の命を戦術の中に組み込む……。

他の柱と協力して戦うとかではなく、しのぶさんとカナヲちゃんの二人だけでも上弦の弐を倒せるように、という戦略……。
しのぶさん、姉の仇討ちに自分自身の全てを懸けていて自分の命を軽く見ているように感じてしまいます。
でも絶対生き残れるなら生き残りたいって心の何処かで思ってると思うんだけどな……。
そうじゃなかったら寂しいな……。

童磨を崩れさせたしのぶさんの秘策の毒は、単純に圧倒的な物量の毒を一気に吸収させるゴリ押し毒攻撃でした。
自身の体全体、血液・内蔵・爪の先に至るまで高濃度の藤の花の毒が回っている状態を作り、全身を毒の塊にすることで実現させていたようです。
しのぶさんの刀で一度に打ち込める毒の量がおよそ五十ミリ。(50ミリリットルと仮定)
しのぶさんを喰らった場合の毒の量は、しのぶさんの全体重三十七キロ分。(37キログラムと仮定)
刀でおよそ740回毒を撃ち込んだのと同じ量……で合ってます……?
通常の致死量が530グラムくらい。
となると刀で打ち込む場合は10〜11回くらい突き刺せば滅殺できる計算でしょうか。
計算苦手なのでどこか間違っていたらご指摘お願い致します……。

2020年2月6日追記
単行本で修正されましたね!
どうやら七十倍→七百倍の間違いだったみたいです。
ということは通常の致死量は52グラムくらいになるかと思います。

それにしても調合を変えたり撃ち込む場所を変えたりと工夫していたのに、最終的には毒の量に物を言わせた力押し……。
嫌いじゃないです。

毒を喰らった童磨が「毒が回っていくような感覚もなかった」と言っているのは何か仕掛けがあるのでしょうか。
吸収した瞬間にドクンと悶そうな気がしますが。
その辺りにまだしのぶさんの罠が残っているかもしれませんね。

血鬼術・結晶ノ御子も維持できなくなった童磨の頚を伊之助とカナヲちゃんが狙います。
特にカナヲちゃんにとっては喉から手が出るほど、待ちに待った仇討ちの瞬間。
しのぶさんは致死量を遥かに超える命がけの毒でも上弦の鬼を滅殺できる保証はないと考えており、お館様は無理だと判断していました。
お館様は、しのぶさんの仇討ちが成功する確率を上げるために、珠世さんとの共同研究をするように助言して下さっていたとのこと。
毒が回るまで察知されなかったり単純に量が多いだけの毒が効果的に効いているのも。もしかしたら共同研究の成果かもしれませんね。
珠世さん側では鬼を人間に戻す薬が共同研究の成果として披露されていましたが、しのぶさんはこのままだと自前の策のみで童磨を追い詰めたことになるので、あえてここでこのワードを差し込んできたからには何かあったのかもしれません。

大嫌いな鬼とも協力し、自分の命を使ってでも滅殺する……。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話

しのぶさんの痛ましいまでの使命感と激しい怒り……。
それを踏まえてカナヲちゃんに「とどめを刺してね」とお願いする気持ちを考えると……。
泣けるでしょうこれ。
然りげ無いですけどかなりの名シーンでは。

しのぶさんの筆舌に尽くしがたい想いを背負ったカナヲちゃん。
「絶対にしのぶ姉さんの命を無駄にはしない!!」という熱い想いで童磨に迫ります……が――。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話

血鬼術 霧氷・睡蓮菩薩

これが上弦の弐……。
巨大な菩薩による物理攻撃に加えて、広範囲に凍てつく空気を充満させる絶望的な大技。

しかしそれは童磨にダメージが無い場合です。

カナヲちゃんの眼には術の粗さ、精度が落ちている様子がハッキリと捉えられていました。
苦し紛れの、正真正銘追い込まれている証の最後の大技。

ここでカナヲちゃんもしのぶさんから危険だからと使用を制限されていた技の事を考えます。
その技は負担が大きく、悪くすれば失明するかもしれないという危険な技です。
しかし自分のことは命すらも顧みないというのに、妹には五体満足で生還して欲しいと思うしのぶさんの優しさ、尊さ。
その想いがさらにカナヲちゃんの決意を後押しします。

「自分は命さえ失おうというのにどうして私の心配なんてしたんですか?」

「なんて優しい人なんだろう、なんて尊い人なの」

「守りたかった、命を懸けて守りたかった」

「一緒に家へ帰りたかった」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話

花の呼吸 終ノ型 彼岸朱眼

「動体視力を極限まで上げると周囲の動きは鈍く遅く見える」
眼球への圧力で出血し強膜は赤く染まる

外観からしてリスクの高そうな終ノ型……。
睡蓮菩薩の攻撃がコマ送りの様になり、ついには殆ど止まっているかのように見えています。

菩薩の手刀による攻撃を逆に足場とし、斬撃を加えながら一気に童磨へと駆け上がります。


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話

童磨の頚を捉えたと思いきや……。
上弦にはこれがある……。
土壇場でのこのしつこさこそが上弦にまで登り詰めた鬼たちの執念なのでしょう。

カナヲちゃんの刃は童磨の頚に食い込んでいるのに腕が固まって振り抜けない……。

万事休すかと思いきやもうひとり!!


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話

「ぬおおおお!!!」
「獣の呼吸思いつきの」

「投げ裂きィィィィィ!!」


出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第162話

やったーーーー!!!!

振りおろされる繋いだ一閃!!
万感の思いが籠もったカナヲちゃんの刃が童磨の頚を斬り落としました!!
うおおおおお伊之助の思いつきの投げ裂きィィィィ!!!

別に技名つけんでも……!!!

シリアスとギャグの振れ幅……!!
なんでこの展開で笑ってしまう……!?
カナヲちゃんの悲壮感が吹き飛ばされる伊之助パワー……。
でも刃がギザギザだから引っ掛かりができて刀を押し込みやすかったとか考えると結構合理的……。

なんにせよやりました!!!

勝ったーーーーー!!!!!!


と、思うじゃん?

さぁ頚を落としましたよ!

童磨はどうなる!?
これはやったか!?

百年以上生きた鬼も土壇場では思いつきの技にやられたりするもんですよ……。
という訳で決着!!
あると思います!!!!

でもまぁ、うむ……。
猗窩座の例があるので頚を落としてもしぶとく粘る。
ということも考えられます。
なりふり構わない童磨は猗窩座の様に自ら身を引くということはありえないでしょう。
もしかするとその境地に達するために、異様な執着心で女を喰い続けていたのかもしれません。
女性はエネルギー豊富とは言っていましたが、どうもそれだけの理由で執着していたかどうか怪しくなってきましたからね。
コメントで童磨は親のぬくもりを求めているのでは、というものを頂きましたが、母からの無償の愛を受けたことがなく……という展開があるかもしれませんね。

そういえば鬼って見ただけで血の種類や病気、遺伝子などが分かるって話でしたよね。
しのぶさんの血が藤の花の毒に変わっていたことに童磨は気付けなかったのかな。

あとしのぶさんの体重が凄く軽くてびっくりしてしまいました……。
あの数字は体を高濃度の藤の花の毒状態にしているからなのでしょうか。
あの体重であれだけ強度の高い運動をしたら体が壊れてしまうのでは……。

壊れてしまうといえば上弦の鬼って頚がめっちゃ硬かったりしますが、童磨は毒でグズグズに崩れていたのであっさりと刃が入っていったのが二段構えというか、毒凄いなってなりました。

しのぶさんも腕力で頚を斬れなくとも、鬼の硬質化を防ぐか、鬼を軟化させる薬か毒を作っていたら頚を斬れたのではないかと未練がましいことを言ってみる。

サブタイトルの「三人の白星」というのは、胡蝶三姉妹のことですかね。
カナエさんが暴き、しのぶさんが対策を立て弱らせ、カナヲちゃんがとどめを刺す。
完璧な連携だったと思います。
産屋敷輝利哉様はわざとカナヲちゃんの合流を遅れさせてしのぶさんを……とかダークなことを少し考えてしまいましたが、産屋敷家の人間がそんなことするはずがありませんね。
二人が共闘出来ていればまた違った戦闘が出来たと思いますし。

なんだか名残惜しい……。
書きたいことまだまだあるような気がしますが思いつかない……。

今回上弦の弐を撃破できたとしたら、しのぶさんの功績はかなりのものですよね。
でももし猗窩座や黒死牟と当たっていたらと思うと……。
鬼殺隊は上弦に対して結構相性の良い柱や剣士がやりあえている印象があります。
これはもしかしたらお館様や輝利哉様の采配によるものがあるかもしれません。

ここまで童磨に毒が効いているとなるとしのぶさんは骨の髄まで吸収されてしまったのでしょうか……。
カナヲちゃんが最後に見たしのぶさんが童磨に吸収されている姿だと思うといたたまれません……。
最後にもう一度しのぶさんがカナヲちゃんと話したり出来ないかなぁ。

なんだかしんみりとしてしまいましたが、しのぶさんの熱い想いは色んな方に届いたことと思います。

次回までは少ししんみりとしつつも童磨を倒した暁には思いっきり喜びを分かち合いたいと思います。

それではまた次回の投稿もよろしくお願いします!
キメツーーーー!!!!

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