出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第97話
週刊少年ジャンプ2018年11号
「ただもし唯一 心残りがあるとするならば」
「梅 お前は俺と違ったんじゃないかって事だ」
後編は妓夫太郎の独白から始まりました。
どうやら、兄妹で鬼となったあの日からの回想はなく、時は現在に戻ったようです。
もし梅がもっといいお店にいたなら、普通の親元に生まれていたなら、良家に生まれていたなら
何か違う道があったかもしれないと。
人として、兄としての回顧。
百年以上も鬼として妹の影で生き続けながらそんな感情も残っていたんですね……。
気付くと妓夫太郎は暗闇の中に立っていました。
地獄かと訝しんでいるとそこに梅が現れます。
その姿は先程まで自分が想像していた、人として生きていた頃の梅の姿。
梅は相変わらず「ここは嫌だ!出たい!何とかして!」とワガママ放題の頼り切り。
いつもなら可哀想になああと優しくしてくれる妓夫太郎が妙に素っ気なく……。
流石にバツが悪いのか妓夫太郎に駆け寄りますが一喝されてしまいます。
半べそかきながら先程のことを謝ります。
出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第97話
感情的になって心にも無いことを言ってしまい、相手を本当に怒らせてしまってから泣いて謝る。
およそ百年以上生きた人間とは思えない幼稚な精神です。
鬼となり、どんなことも受け入れ嫌わないでいてくれる兄がいたことで、
精神的な成長ができなかったのかもしれません。
兄は兄で、今まで自分が妹を駄目にしていたのかもしれない、
と最後の最後に妹を拒絶してみせます。
この暗闇の世界で反対側へ行けば、もしかしたら生まれ変わって人としての生を
やり直せるのではないかとでも考えたのでしょうか。
しかし梅はどうしようもなく言うことを聞かないワガママ娘で、妓夫太郎にしがみつきます。
「何回生まれ変わってもアタシはお兄ちゃんの妹になる絶対に!」
「おれたちは二人なら最強だ 寒いのも腹ペコなのも全然へっちゃら」
「約束するずっと一緒だ絶対はなれない」
「ほらもう何も怖くないだろ?」
梅がまだ本当に小さい時の約束。
鬼となり生き続けても色褪せない二人だけの記憶に涙です。
非道な行いをしてきた鬼なので報われたね、良かった!とは思いませんが、
この二人にはこの二人だけの幸せのカタチがあったのだと。
そしてそれは鬼として死んだ後も決して無くなりはしないのだと、信じています。
泣きじゃくる妹をおんぶして、二人は業火の中に消えて行きました……。
この兄妹は、兄が甘やかした妹がわがままだったというどちらが悪かったなどということでは無く、
兄が受け入れるからこそ妹が甘え、妹が甘えるからこそ兄が守る。
お互いがお互いの存在を認め合うことができる、本当の意味で『二人でひとつ』の存在だったのかもしれないと感じました。
あれだけの激闘の後だと言うのに……。
炭治郎の優しさに救われます。
堕姫って凄く横暴で残酷な鬼だったと思うし、炭治郎も怒髪天を衝く勢いで怒っていたのに。
炭治郎って凄い。
場面は移り、天元さんが誰かに物凄く小言を言われています。
この言葉が絡みついてきそうなネチネチした感じは……。
蛇柱・伊黒小芭内さんだ!!!
相も変わらずねちっこい!!
助っ人に来たのかもしれませんが一足遅い!!
あーどうやって戦うのか見たかった。
でも登場してくれて嬉しい!
それにしても蛇にビビる須磨さん。
ギャーーッ!!\こえええ/って……。 天元さんの顔が物凄く可愛いことに。
完全ギャグ要員のこの人はこれからも登場するのだろうか……!
褒めてやってもいいと言いつつ文句を並べる蛇柱・小芭内さん。
『たかが上弦』という発言は鬼舞辻無惨を討たなければ上弦を何体殺したところで意味はない
という思いの表れでしょうか。
死ぬまで戦えという十二鬼月ばりのブラックノルマを課そうとする小芭内さん笑う。
やっぱり若手がばんばん死んでいく環境だと人の命が軽く扱われてしまうのだろうか……。
とか思わせておいて小芭内さんも目の前で後輩が死にかけてたら命がけで守るんでしょ知ってますよ。
察するに若手を守るために柱に空席を増やしたくないと言ったところでしょうか。
あと天元さんが小芭内さんに「若手は育ってるぜ、お前の大嫌いな若手がな」と言っていますが、
これは若手全般が大嫌いなのか、若手の中でもお前の大嫌いな奴が育ってるという意味なのか。
その後に生き残ったのか?竈門炭治郎が、と言っているので後者かな。
だとすると小芭内さんは炭治郎のこと嫌いなのか。 何でだろう。
そして上弦を倒したという情報が産屋敷家にも伝わります。
お館様!!!
もうかなり……立ち上がることもできないくらいボロボロになっていらっしゃる……。
これは”兆し”だと、吉報ではあるものの、運命が大きく変わりゆく
本番の始まりだと言わんばかりの興奮状態です。
いつも穏やかなお館様のこの反応を見れば、上弦の鬼滅殺という事実が
どれほどの偉業であるかが分かります。
そしてこれまでに全くと言っていいほど情報のなかった、鬼舞辻無惨に関する情報が飛び出しました。
なんと鬼舞辻無惨は産屋敷一族であるとのことです。
これは予想していませんでした。
ということは鬼舞辻無惨も後天的に鬼になったということですね。
これって既出の情報でしたっけ。
単行本を読み直さなければなりませんね。
悲劇の元凶が名家の出身というとなんとなく彼岸島の雅を思い出しました。
「上弦が鬼狩りに殺られた……」
どうしたどうした 可哀想に。
鬼サイド。
見てください猗窩座くんのこの顔。
次回のスーパーパワフルパワーハラスメントを予想してか、何とも言えない表情をしています。
呼び出されたのが猗窩座くんだけとは考えづらいので、十二鬼月・上弦のお披露目でしょうか。
前回出てきた前上弦の陸も回想では触れられなかったし、昇格していれば早速の出番となるかもしれません。
鬼と人の歯車が動く…
俄然、ワクワクしてきました!!
さて、なんと蛇柱・伊黒小芭内さんが登場してくれました!!
ひっそりと応援しているのですっごく嬉しいです!!
小芭内さん応援ブログと言っても過言ではないくらい好きです。
喋れば喋るほど魅力が増していくのが鬼滅の刃なので、これからもどんどん活躍して欲しいものです。
とりあえず炭治郎のことを嫌いな理由辺りからネチネチ絡んできてほしいですね。
あー次回が楽しみです。
好きと言えば上弦の陸の兄妹。
この二人はふたりの絆が見え隠れし始めてからグッと惹きつけられました。
ただの利害関係ではなく、お互いを理解し、助け合っている感じが好みだったのかな。
二人の最期も、鬼滅特有の短いながらも深く読ませる雰囲気でとても染みました。
人によってはやっぱりこの兄妹はムカついたし嫌いだ!という方もいらっしゃるかと思いますが……。
考え方が違っても鬼滅の刃が大好きな方と交流できたらとてもステキだなと思うのでコメント等で
感想を聞かせていただけたら嬉しいです!
物語も加速して行きそうな予感がしますし次回も気になります!!