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【灼熱カバディ】第90話「世界組7番・外園丈治」感想


前回、能京一年・関の活躍によって世界組の一人でもある伯麗IS・外園ほかぞののレイドを阻止。

勝敗を占う重要な場面でのレイド失敗。
当然伯麗のメンバーたちは敗北の気配を感じます。

しかし――。

「まだだ!!」

「まだ後半は始まったばかりだ!」
「言ったろう! ピンチからの逆転こそ勝負の華!」

伯麗には強烈なリーダーシップを持った外園がいます。
レイド失敗の直後であってもこれだけのキャプテンシーを発揮することができ、またこの状況でチームのメンバーがそれに応えてくれるほどの信頼を得られる人物はそう多くないはずです。

これこそ外園の強さ、伯麗の強さです。

しかし能京には圧倒的な攻撃手レイダー・王城正人がいます!
あっさりと二人に触り、危なげなく攻撃を終えます。

しかも二人にしか触れなかったのではなく、あえて二人にしか触らなかったのです。

というのも、全滅ローナを取ってしまうと伯麗の次の攻撃に外園が出てきてしまうからです。

守備で時間を潰すために、得点力の低い選手から逃げ続けて時間を潰すという作戦です。

作戦は理解できましたが、それを数ターン継続したというのにはビックリしました。
いやもちろん「勝つ」ということが目標で、ルール違反にはならないのならそういった作戦を立てますよね……。

攻撃の際にも、全滅させないように無得点を続けます。

そして伯麗の3rdレイド。
カバディには「Do or Die Raid」というルールがあり、攻撃側は3回連続で無得点だと強制的にアウトとなってしまいます。
能京守備はここできっちりと攻撃手を潰し、全滅を取ります。

15対24、9点差というスコアになり、時間も削られ、相手の攻撃手は世界組でも特に攻撃に特化した王城……。
かなり絶望的な状況ではありますが、それでも外園のメンタルがブレることはありません

試合の展開で少し気になったことが……。

カバディをプレーしたことがないので作戦等は詳しくないのですが、伯麗は3rdレイドになる前にわざと攻撃を失敗するか、全滅申告をしていれば時間を削られずに済んだのでは……?と少し思いました。
どちらにせよ全滅させられて、それに攻撃で点を取れる見込みがないのであれば、負けているチームが時間稼ぎに付き合う理由って無いですよね……?

残った攻撃手を切り捨てるみたいなことをチームにさせないことこそが外園のリーダーシップなのでしょうか。
チームのために最適を尽くすことは間違っていないと思いますが……。

しかし大会にかける思いや、モチベーションだってチームによって違うこともありますよね。
チームの方針や作戦が最善かどうかよりも大事なことがあるというのはプロスポーツではない学生スポーツの醍醐味だと思います。

「『そこ』は、良い事ばかりじゃあない」

「新しい駅で乗り込んで来る、沢山の人間」

「ボクは少し早く座っていただけ、才能というチケットに席を奪われる」

「徐々に息苦しくなる 景色も、曇る

「それでもボクはまだ――」

「まだこの熱い景色を見たい」

絶望的な点差を前にしても、2点を獲得する気迫に満ちた攻撃。

しかし、1点を縮めるのにかかった時間が45秒。
逆転するには時間が……。

止まらない時間に絶望的な点差。しかし今できる最高のプレー。

今でこそ別々の学校でそれぞれ部長として活躍していますが、
かつては日本代表としてチームメイトだった世界組の二人です。

不思議と思考はクリアになり、付き合いの長い二人はプレーを通して語り合います。

「降りるんじゃない、乗り換えるだけさ」
「なぁに、今までもいたろ?」

「勉強を頑張っていい学校に行ったヤツ… 小説で賞を取ったヤツもいたな」

「ここよりずっといい景色が見られるかもしれない」

「お互い部長だ …そんな顔をするなよ」

無情にも時間はなくなり、試合は能京の勝利で幕を閉じました。

スポーツは仲良しこよしだけではできません。
どちらも勝ちなどということは無く、必ず勝者と敗者が生まれます。

しかし、それが人生の勝ち負けでは無いように。
結果だけが全てではないのが部活動というものです。

公式戦初勝利を手にした能京は弾けるように喜びを感じています。

そんな姿を見て外園は……。

この場面の外園の表情は是非原作で確認して頂きたい……。

こんなに素晴らしい表情を描くことができる漫画家さんは漫画界の宝です。

多くのスポーツ漫画なら「能京二回戦進出!」となるところを、灼熱カバディではこの描き方です。

引退駅……。
外園ってこの試合で初めて出てきたくらいの新しいキャラクターなのですが、ずっと昔から登場していたかのような寂しさがあります……。

部活動……スポーツを電車の旅に例えるなんて思いつきます!?
乗り換えるだけって……。

しかし当然学生がそんなスッパリと割り切れるようなものではありません。
頑張ってきたのであればなおさらです。
どれだけ悔しかったか!

灼熱カバディには脇役なんかいません。
みんなが主役です。


はい。
一回戦終了です。

作中で言われなかったのでトンガリが言いましょう。

能京高校カバディ部一回戦突破おめでとうございます!!

そりゃスポーツですから勝敗はつきますよ。
伯麗も凄かった!
だけど今回は能京が勝った!
だから能京おめでとう!!

全てのチームにドラマがあるから感情が忙しいですが、トンガリはやっぱり能京が好きなので嬉しいです。
伯麗のメンバーも好きだったので二回戦からの試合を観客席から解説したりと登場してくれたら嬉しいなあと思います。

いま書いてて思ったのですが、灼熱カバディは一番好きなチームが主人公チームですね……。
トンガリは結構敵チームとかライバルチームを好きになることが多いのでこれはなかなか珍しいです。

部長とか関が好きだからかな?
いやでも宵越や伴にも活躍して欲しいし……。

理由は魅力的なキャラかな。
この辺はもう少し読んでいく中で分析していきたい。

他に主人公チームが好きなスポーツ漫画何があるだろうか。

一度トンガリが好きなスポーツ漫画をまとめてみたいです。
新しい発見がありそう。

そして灼熱カバディは2週間休載なようで!!

早く続きが読みたいですーー!!!!

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